どーも、一ノ瀬ほたるです。
みなさんは心がキュッとなる青春時代の思い出はありますか?
好きな子と初めて目が合った瞬間
胸の奥に閉じ込めた誰にも言えない悩み
抑えきれない衝動を解放した夜
今回はそんな青春の切なさもどかしさをギュッと詰め込んだ作品を描く漫画家さん、押見修造先生の作品を紹介していきたいと思います。
もくじ
押見修造先生ってどんな漫画家さん?
押見修造(おしみ しゅうぞう)先生は日本の男性漫画家さんです。
主に思春期特有の悩み・葛藤をリアルに描いた作風が特徴です。
押見先生の漫画はこれまでにアニメ、テレビドラマ、映画とたびたび映像化されています。それだけ人の心を掴んでいると言えますね。
また、押見先生自身が【吃音症】(言葉が円滑に発せられない症状)を患っており、
「吃音が故に普段より人の表情や仕草から感情を読み取る能力が発達し、これが漫画の登場人物の表情を描く時に生かせているのかも知れない。」
と語っています。
言われてみれば押見先輩の描く漫画って登場人物の表情が物凄いリアルなんです。
言葉にしてしまえば簡単なのに、感情を凝縮した表情を1コマ載せる事でグッと読者をのめり込ませる不思議な能力を持っているんですよね…。本当引き込まれます。
言いたい事を上手く言葉に出来ないもどかしさを抱えてきた押見先生だからこそ描ける技なのかもしれませんね。
押見修造先生のおすすめ漫画ベスト6
1. スイートプールサイド(全1巻)

毛が無い男子と毛深い女子が織り成す変態ちっくな青春ストーリー
毛が生えない事を悩む中学一年生男子、太田は同じ水泳部の毛深い女子、後藤の事が内心羨ましかった。
するとある日の放課後、太田は後藤からとんでもないお願いをされる事になる…
「太田くん…私の毛を剃ってくれない?」
そう、思春期の男女にとって毛の悩みはまさに死活問題。核戦争より深刻なのです。
思春期特有の悩みである【毛】をテーマにした青春ストーリーです。直接的なエロさではなく、間接的な…そう変態的なエロさがこの漫画にはあります。
ありそうでありえないシチュエーションなんだけど、読んでる側としては思春期のドキドキともどかしさを同時に味わえる爽やかな作品です。
ちなみに実写映画化もされていますが、展開がちと切ないのでまずは漫画版をおすすめします。
ほたる
2. 志乃ちゃんは自分の名前が言えない(全1巻)

普通になれなくてごめんなさい
私の中の大好きな漫画ベスト10に堂々ランクインする漫画です!!
母音が上手く発音できない吃音症に悩む主人公の志乃。高校入学後、新しいクラスで自己紹介をするも、やはりつまずいてしまいクラスメイト達から笑われてしまいます。
更に自分の殻に閉じこもってしまう志乃、しかし唯一自分を笑わなかったクラスメイト、加代と次第に仲良くなり少しずつ彼女は変わっていくのです。
お恥ずかしい話ですが、私はこの漫画を読んで初めて吃音症を知りました。
もし私が志乃のクラスメイトだったら、他の子達と一緒に笑って彼女を傷付けていたかもしれません…。そう思うと胸が締め付けられました。
重い題材ながらも青春の甘酸っぱさ、切なさをテンポよく繊細に描きあげる事ができたのは自分自身、吃音症に苦しんだ押見先生だからこそだと感じます。
3. ハピネス(既刊8巻)

押見修造が描く、不穏な吸血鬼物語
主人公は小柄で内気な冴えない中学生男子。クラスではパシリにされ虐められる日常に流されながら生きています。
ところがある夜、吸血鬼の女の子に襲われ
「このまま死ぬ?それとも同じになる?」
と、問いかけられ「死にたくない」とだけ答えます。
その後、主人公は心は人間。身体は吸血鬼としての生活を強いられ苦しみますが、少しずつ彼の中で何かが変わり始めて…。
設定はよくある吸血鬼漫画の様な感じもしますが、東京喰種の様なアクションやダーク感はあまり無く、あくまで静かに物語が進んでいくのが特徴です。
台詞を読ませるというより、表情で魅せている作品。とにかくテンポよく読める所が個人的に好きです。
現在8巻まで読んでいますが全く先が読めません。吸血鬼に噛まれた人間は吸血鬼になってしまう設定上、負の連鎖が止まりません。登場人物達が今後どうなっていくのか気になります。
ちなみに、出てくる女の子達がとにかく可愛いです。(←ここ重要)
ほたる
4. 惡の華(全11巻)

思春期という名の狂気
ある日ほんの出来心で大好きな女子の体操着を盗んでしまった主人公。しかし、その現場をクラスのとある女子に目撃されてしまったことから彼の平穏な日常は崩壊します。
甘酸っぱい青春漫画とはひと味もふた味も違う、歪んだ青春漫画です。
個人的な意見ですが主人公の男の子はエヴァンゲリオンのシンジくんを彷彿させるようなキャラクター。他人との間に壁を作ってしまう内向的な性格を持ちながらも破壊的衝動(リビドーの爆発)も兼ね備えている脆く壊れやすい存在。
中二病という言葉がありますが、この漫画はそんな言葉だけでは片付けることができない様々な感情がぶつかり合っては音を立てて壊れていく所が魅力です。
5. ぼくは麻理のなか(全9巻)

片思いしている相手になれたら…何をする?
楽しい大学生活を送るはずだったが友達作りに失敗し、不登校状態になっている青年が主人公。実家の親には大学に通っている嘘をついており、仕送りで生活しています。
一日のほとんどを自分の部屋でゲームやオ〇二ーをして過ごす引きこもりのような生活を送っている彼の唯一の楽しみは、行きつけのコンビニでよく見掛ける可憐で可愛い女子高生をこっそり尾行すること。ちなみに名前はは知らないので自分の中で『コンビニの天使』と呼んでいます。
ところがある日、彼が目を覚ますとあのコンビニの天使の姿になってきたのです!
「もしかして入れ替わってる!?」という事で、彼女の姿でこっそり自分自身の様子を見に行きますがいつもと変わらない日常を送る自分がそこに居ました。
じゃあ、彼女の中身は一体どこへ…?
まぁ、この時点で変態臭がプンプンしますが変態漫画です!(きっぱり)
そして女子目線で言わせてもらうと、主人公がだいぶキモい(笑)男子の生態がだいぶ生々しく描かれているので覚悟しておいた方がいいです。
それを含めても、全体的にミステリー要素があって目が離せない素敵な作品だと思います。
ほたる
6. 血の轍(既刊3巻)

身体中に絡まりつく、母の狂気
母と子の不安定な関係を描いたサイコサスペンス漫画です。
中学二年の静一に対して異常なほど過保護な母静子。静一が女子からもらったラブレターを「一緒に破り捨てよう?」と提案するほど自分の息子に執着しています。
夏休みのある日、静一家族と親戚が山へハイキングに出掛けるのですが…そこで思いがけない出来事が発生し、その秘密を静一と母、静子が共有する事になるのです。
ここで重要なのは静一にとって母の言うことは絶対だという事。しかしながら彼自身本当にそれでいいのか葛藤していく姿が描かれています。
母の静子はいわゆる【毒親】ですね。
直接的に虐待をするわけではありませんが、過保護過ぎるあまりに静一を精神的に追い詰めていきます。
しかしながら、静子にもそうなってしまった事情があるようで……これからの展開がものすごく気になります!
ほたる
最後に
押見先生の作品は冴えない男子がひょんなことから女子と出会って日常が変わっていく、いわゆるボーイミーツガール系の漫画が多いのですが…よくある主人公の成長を描く王道パターンとは違い、個性が強い女の子に日常をかき乱されてしまうパターンが圧倒的に多いです(笑)
平穏な日常を送っていたはずが巻き込まちゃう感じですね。でも、主人公の男の子達は基本的に受け身なのでズルズル狂気の沼にハマってしまうのです。
そしてなにより、押見先生の作品に出てくる女の子達は個性が強いものの何処か惹き込まれてしまう魅力を持っているのが特徴です。彼女達の何気ない仕草さえ胸の奥を鷲掴みにされるナニかがあります。フェチ心をくすぐるのが本当お上手。
押見先生の作品をまだ読んだことが無いという人には、先ほど紹介した『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』を心からおすすめします。何も言わずに読んで下さい。
以上、押見先生のおすすめ漫画を紹介してみました。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!